初めてのウズベキスタン 2017.5
2017年7月6日
緑豊かなオアシスの都市
国際学会の場でHSPの富田英副理事長の元に「ニッポンのNGOハートセービングプロジェクトがウズベキスタンで活動する可能性はありますか?」とナジミディーン マカモフ医師が声をかけてきたのがこの度のウズベキスタン訪問の始まりでした。まずは病院の状態や医療制度の様子、HSPの活動の可能性などを検討するため、富田英副理事長と藤井隆成医師がこの5月にウズベキスタン国に視察訪問しました。
5月3日、インチョンで乗り換えてトータル10時間を超えるフライトののち、夜8時半、富田英副理事長と藤井隆成医師がウズベキスタン国タシケントに到着。ヴァヒドフ記念病院のMirjamal Zufarov副院長副院長とナジミディーン医師が空港まで出迎えてくれました。宿泊先はホテルウズベキスタンという国を代表するホテルでした。お湯が出たり出なかったり。インターネットは遅いけれどもなんとかつながりました。
ヴァヒドフ記念病院
翌日「ヴァヒドフ記念病院」を訪問。病院の建物は立派で、どことなくモンゴルの病院をほうふつとさせる雰囲気です。午前中は2例+αの心エコー検診ののち、大動脈縮窄症(CoA)1例と心房中隔欠損(ASD)症1例の治療カテーテルを実施。午後数例の心エコー検診。二日目は前日治療した患者さんの術後検診と、動脈管開存症(PDA)の治療カテーテルを実施。そののち数例の心エコー検査をして今回の検診は終了しました。
ウズベキスタン国は野菜や果物が大変豊富で、建築物はモスクをはじめ大変美しいのが特徴です。その日の夜は院長の友人宅にご招待を受けてディナーをいただきました。とてもフレンドリーな国民性のようです。魚料理、肉料理、さらにウズベキスタンの代表的な米料理をいただきました。タシケントは夜でも大変安全だそうで、帰り道で女性が一人歩きで帰宅する姿を見かけたとのことです。
街並は緑が豊かで道幅が広く、道路は渋滞などなく、のんびりとした感じです。真夏は40度を超えることもあるそうですが湿度は低く、冬はせいぜいマイナス20度程度と、モンゴルに比べて過ごしやすいようです。
治療のシステムはかつてのモンゴル国と同様で、小児循環器の医師は心カテーテル治療はせず、小児の心カテーテル治療を行うのは外科医という仕組みになっています。ヴァヒドフ記念病院では年間100例ほどの先天性心疾患の治療を行っているそうですが、デバイスの費用(おおよそ一人当たり2700USドルほど)の負担は患者さんということで、その費用を負担できる患者さんは大変少ないということです。デバイスの消費が少ないため販売代理店が寡占状態で、そのため余計に単価が高くなっているようです。消耗品はリユースされているものが多いようですが、国外からの輸入の際には期限切れの製品を持ち込むことができません。
今回、タイトなスケジュールでの訪問でしたが、帰りのフライトは3回の乗り換えでトータル21時間を超えるものでした。次回はウズベキスタン航空直行便での訪問が良いようです。