2024年5月モンゴル地方検診
2024年9月19日
ドンドゴビ県・ゴビスムベル県 地方検診
2024年5月2日から6日の5日間、総勢10名の人員でモンゴルに渡航して活動を行いました。メンバーはそれぞれ地方の病院で検診を行う「地方検診班」と、首都ウランバートルで治療活動を行う「カテーテル班」の2班に分かれました。この記事ではおもに「地方検診班」についてご報告します。
今回の地方検診先はドントゴビ中央病院(ドントゴビ県マンダルゴビ市)と、ゴビスムベル県総合病院(ゴビスムベル県チョイル市)、今回の地方検診班のメンバーは日本から医師3名(羽根田紀幸先生、山本英一先生、小野頼母先生)、医学生1名、会員ボランティア参加1名、モンゴルからモンゴル国立母子保健センター医師1名(アヌージン先生)、現地NPO2名(オユンナー、ウルカ)、ドライバー3名の総勢11名です。
過去、ドントゴビ県には2012年、ゴビスムベル県には2015年にそれぞれ地方検診で訪問しています。
5月2日(木)、日本からの参加者は成田空港第2ターミナルに集合しました。事前にメールでやりとりしていますが、お互いここで初めてお目にかかる方々もいらっしゃいます。検診に使用するためのポータブルエコー機2台を持参して成田空港からはモンゴルミアット航空の直行便でモンゴル入りしました。今回の機器を提供くださいましたどれみクリニック様、GEヘルスケアジャパン株式会社様、この度もありがとうございました。ウランバートル到着は夕方の18時過ぎ、宿泊先はウランバートルホテルで、この日は夕食後早めに就寝しました。
280km先のドントゴビ県中央病院へ
翌3日(金)は6時15分にホテルから3台のレクサスのSUVに分乗しました。晴天で少し肌寒い陽気でした。280kmを3時間半かけて移動し、ドントゴビ県マンダルゴビ市に到着。まずこの日の宿泊先であるBURD HOTELにてチェックインし、その後、検診先のドントゴビ中央病院を訪ねてご挨拶したのち、検診の準備を行いました。それから、いったんホテルに戻って昼食を済ませてから再び病院へ戻り、午後から検診を開始しました。
以下、6点はドントゴビ中央病院での検診風景と受付の様子です。
検診体制ですが、現地NPOと会員ボランティアが廊下に作った受付で受付業務をし、問診票を作成して、続く2部屋の検診室では日本とモンゴルの医師混成3チームが、現地病院のエコー機1台と日本から持参した2台をそれぞれ使用して検診を行いました。この流れはこれまでに実施してきた地方検診で培ったノウハウで、たいへんスムーズに行われました。13時から18時半までで合計112人の検診を実施し、その後カンファレンスを行いました。終了後はホテルに戻って夕食をとりました。4日(土)も朝8時半から検診を開始し、12時に終了しました。この日は80人の検診を行いましたので、2日間で合計192人の検診を行ったことになります。
終了後、ドントゴビ中央病院の保健局長と病院医師(ハリュナ先生)とともに昼食をとりました。昼食後、13時半にマンダルゴビ市を出発し、次の目的地であるチョイル市に向かいました。この間の道210kmは完全にオフロードで途中には花崗岩群が続くイフ・ガザリン・チョローというところや、知人の実家という遊牧民のゲルに立ち寄って休憩をしながら移動しました。
21時にようやくチョイルに到着しましたが、ホテルが見つからないというトラブルを経て22時に夕食をとり、その後星空見学をしてから宿泊先に戻りました。
ウランバートルから230km離れたゴビスムベル県総合病院
5日(日)、8時半にホテルをチェックアウトしてからその日の検診先であるゴビスムベル県総合病院に向かい、9時から13時半までのあいだに100人の検診を行いました。
体制は前日と同様です。こちらの病院は総合病院といっても小児循環器科はもちろんのこと、循環器内科もなく疾患重症度のレンジが広いようでした。
検診を終え、昼食後15時半にチョイル市を出発し、230kmの走行を経て19時にウランバートル手前のナライハに到着。カテーテル活動終了後束の間のモンゴルの田舎を味わっていたカテーテル班のメンバーと合流したのちウランバートルへの帰路に就きました。
今回2泊3日で、オフロードの210kmを入れて車での移動距離合計440km14時間あまりと、体力的にも大変きつい地方検診旅行でしたが、参加された方々はみなさんとても楽しかったとの感想を述べられていました。ひとつには移動中の景色のなかに奇岩列石が続いたり砂漠があったりと非日常な景色を楽しむことができたからでしょうか。また、今回使用した現地でのレンタカー(レクサスのSUV)が途中で不調にならないように事前にしっかりとメンテナンスされており、かつ、丁寧な運転で乗り心地がよかったことも大きな要因でした。帰国後に疲労が出るのではとの心配もありましたが、むしろ今回の体験がリフレッシュになり、その後のやる気につながりましたとの声も届いています。
重ねて今回もエコー機を無償で貸与くださいましたどれみクリニック様、GEヘルスケアジャパン株式会社様にはこの場を借りて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。