2018年5月モンゴルでの活動に参加して
2018年6月6日
5月に実施したモンゴルでの地方検診と首都での治療活動の両方に参加された臨床工学技士の川上千晶さんからレポートが届きました。
初めてのご参加でいろいろご苦労も多かったことと思いますが、活動の意義も感じていただけたことと思います。
初めて活動へ参加して
今回、初めてハートセービングプロジェクトの活動に臨床工学技士として参加させていただきました。
当院に4年程前に入職した頃から、檜垣高史先生や、以前に同行したME機器センタースタッフからも話を聞き、ボランティア活動や海外での医療に興味があったため、ぜひ参加したいなと思っておりました。
参加が実現し、愛媛を出発。成田空港で検診班である、田村真通先生、小澤晃先生、内山敬達先生、西田敬弘先生と合流しました。初対面の方といきなり海外へ出発するという状況でしたが、皆さん大変温かく迎えてくださり、不安なく出発することができました。モンゴルまで約3000㎞のフライトで首都ウランバートルへ到着したのは夜7時を過ぎていました。
現地ボランティアスタッフのバドさん、ウルカさんが空港まで迎えにきてくださりました。 二人とも長くハートセービングプロジェクトの活動に参加されており、日本語も上手で現地での不安もなく過ごすことができました。
翌日からは国立母子センターで検診活動に参加させていただきました。検診場所に到着すると、順番待ちの患者さん達で受付はすでにいっぱいでした。受付、身長・体重測定、診察、エコーの順番に検診を行っていきました。内山先生はエコー装置を持参されており(空港の手荷物検査で何度も質問されながらの持込でしたが、大活躍!) 3台のエコー装置を使用してスムーズに検診が進んでいきました。
心エコー検査では、カテーテルだけでは治療ができない心臓疾患が見つかるケースもあります。韓国、アメリカ、日本などさまざまな国がモンゴルの医療支援を行っていることがわかりました。その一方で、NICU,ICUへ回診を行った際、医療機器は新しいものが導入されていることに驚きました。
翌日からは約1400㎞離れたバヤンウルギーで検診でした。ウランバートルから飛行機で約3時間での到着予定でしたが、天候不良(暴風雪)で別の町に一旦着陸。ガソリンを給油して再度着陸を試み、なんとかバヤンウルギーへ到着することができました。そこでの検診では、以前に治療をした患者さんのフォローにも立ち会う事が出来ました。先生に「問題ないよ。」と診察されると、嬉しそうにされている患者さんやご家族に会うこともできました。治療後の患者さんを見ると、ハートセービングプロジェクトが単回で終わるものではなく、継続されている活動であることに意味があるのだなと感じることができました。
地方検診の後はウランバートルでカテ班と合流です。羽根田紀幸先生、檜垣高史先生、江原英治先生と合流することができたのは22時を過ぎていました。
カテーテル治療では現地モンゴルの先生方のレベルも上がっており、積極的な治療が行われていました。現地のエンジニアであるモギさんの仕事内容は日本とあまり変わりないようでしたが、日本のようにデバイスが豊富ではないので物品の管理等も医師と連携し、行えるようになれば、よりスムーズな治療が行えるのではないかと思いました。
今回、臨床工学技士の私に何かできることはあるのか、自問自答しながらの参加となりましたが、コメディカルの大切さを改めて理解し、また活動に参加したいなと思いながら日本に帰ってきました。これからの人生観が変わる貴重な時間を過ごすことができました。初めてモンゴルに行き、この活動にかかわるスタッフの温かさに触れ、様々な立場の人たちが同じ目的に寄り添いチーム医療を行っていくその一員となれたこと、これからもひとりでも多くの患者さんの診断や治療ができるお手伝いができればと思います。
ありがとうございました。
愛媛大学医学部附属病院 ME機器センター 臨床工学技士 川上 千晶