2024年8月モンゴル カテーテル2班報告
2024年10月6日
カテ2班報告
2024年8月の活動は「カテーテル2班」がモンゴルへ渡航し、現地で拠点としているモンゴル国立母子保健センターの小児循環器科において検診と治療を現地の医師とともに実施しました。
日程は8月10日出発、11日、12日、 13日の三日間の治療活動、14日に帰国です。
渡航メンバー構成は医師5名、ボランティア医学生1名、事務局1名で、現地ではこの活動を現地で支援するNPO団体から複数名がサポート業務と通訳を行います。
参加メンバーは8月10日(土曜日)に成田国際空港第2ターミナルに11:30に集合し、ミアットモンゴル航空にてモンゴルを目指しました。コロナ明け以降、日本とモンゴルの相互の往来が著しく、そのため同日の午後にウランバートル行きの便が2便あり、二手に分かれての出発でした。事務局は2日前の8月8日に事前に現地入りをして受け入れ準備を行いました。飛行機は二手に分かれて移動したもののウランバートル国際空港で全員が集合し、一緒に市内へ移動しました。空港を出たのは夜の8時近かったのですが、まだ空は明るくて夕方ぐらいの感じでした。
夏といっても真昼のいちばん暑い時間帯でだいたい27度ほど、朝夕は11度程度で、上着というよりももう少し暖かい羽織ものが必要なぐらいの気温です。
今回の宿泊先はウランバートル市長からの紹介で5月に続いてウランバートルホテルでした。日本では2023年に放映されたドラマの影響があって飛行機も半年以上も前に満席状態で、ツアーも軒並み売り切れ状態でしたが、韓国でも同国の人気アイドルがモンゴル旅行をしたことと、K-POPのフェスティバルがモンゴルで7月に開催されたことから、ウランバートルは外国人で溢れていました。
モンゴルでは6月に国政選挙が終わり政権が交代したと同時に各所での人事異動が大幅に行われている最中で、ハートセービングプロジェクトが現地で活動拠点としているモンゴル国立母子保健センターも例に漏れず院長の交代がありました。こうした事情から、当初ウランバートル市長が活動の視察に訪れるということでしたが中止になりました。
その一方でハートセービングプロジェクトの会員であり、また現地でさまざまなかたちで支援をしてくださっています日馬富士関が12日の夜の食事に招待をしてくださいました。新日馬富士学園の給食で提供するために安全な牛乳をつくる目的でミルクファームを郊外に立ち上げていましたが、これが本格稼働しており、牛乳の給食での提供が始まっていました。モンゴルは牧畜業が盛んではありますが、牛乳などの生鮮飲料を運ぶための生産管理、輸送管理などの問題があり、これまでは生乳を飲むことは生産者に近いところの人だけで、一般には粉ミルクのみが普及していました。生乳のニーズは高くあちこちから引き合いが来ているようですが、まだ生産量の関係で学校での提供とアンテナショップとしてのソフトクリーム店での提供にとどまっているそうです。
活動の内容
エコー検診=45人
現地では麻疹が発生し、感染者の隔離が行われていました。2015年と2016年にも麻疹の流行が発生したことがあり、そのときは19,000人が感染、135名が死亡という結果だったことがあり、WHOから厳しく指導があったということで院内での感染対策が大変厳しく実施されていました。ハートセービングプロジェクトの訪問に合わせて検診を受けるために地方から首都までやってきている患者さんと親御さんがいらっしゃるのですが、今回はまず全員予約制とし、さらに事前に感染症対策問診票記入を義務付けたうえでの検診となりました。
以上のような理由で夏にも関わらず例年より少ない検診実施となりました。
治療の内訳 診断カテ 3、治療カテ10(PDA 1、ASD 5、PS 4)、中止 1(発熱のため治療延期)
カテーテル治療は当初は心中中核欠損症(VSD)の治療を行う予定でしたが、デバイスを取り扱う現地の医療品輸入会社による通関手続き未完了のためデバイスの用意が間に合わず今回は中止となりました。一方で待機していた患者さんは重症の方が多く内容的に大変でしたが、今回新たに活動に参加された大木寛生先生、川合英一郎先生のお力添えでスムースに進みました。
現地病院の医師がカテーテルの各回に必ず加わって指導を受けながら治療を行いました。
本格的に活動再開して2度目の夏ですが、われわれと現地の医師との連携と相互理解が徐々にでき始めているようです。