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ハートセービングプロジェクト

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2024年9月カテーテル治療支援活動

2024年10月31日

カテーテル治療支援第3班の活動

カテーテル治療支援第3班は2024年9月14日(土曜日)、午後14時40分に成田国際空港を出発し、モンゴルミアット航空OM502便にて一路モンゴル・ウランバートルを目指しました。メンバーは片岡功一理事(広島市民病院)をリーダーとして喜瀬広亮先生(昭和大学病院)、伊吹圭二郎先生(富山大学病院)、林田由伽先生(大阪母子医療センター)、實川 美緒花先生(倉敷中央病院)、事務局のB.Altatntuyaの計6名で、同日出発のモンゴル地方検診班と同道の出発でした。この日の夜19時過ぎにチンギスハーン国際空港に到着し、市内まで移動してバヤンゴルホテルにチェックイン。全員で軽くミーティングをしたのちに夕食をとってこの日は終了となりました。活動の場所はモンゴル国立母子保健センターです。日程は、2日目の午前に待機している患者さんのエコー検診、午後から現地医師の指導をしながらカテーテル治療2-3例、到着3日目の朝前日治療の患者さんの回診、その後カテーテル治療6-7例、終了後全員でカンファレンス。3日目の早朝にチンギスハーン国際空港から成田国際空港へ向けて帰国、という内容です。

カテ室完成10周年記念の学会

今回の渡航に先んじて9月12日-14日の日程でモンゴル国立母子保健センターでは「The 6th congress of Mongolian pediatric cardiologists」というタイトルの学会が開催されました。これはモンゴル国立母子保健センターに心臓カテーテル・血管造影室(通称「カテ室」)が完成して10周年を迎えることを記念したもので、ウランバートル市内はもちろんモンゴル全国の小児および成人循環器の医師約200名が参加しました。オープニングセレモニーでは、オンラインで日本からハートセービングプロジェクトの富田英理事長羽根田紀幸永世理事長がお祝いと共にこれからのモンゴルでの循環器医療のあり方を提案するメッセージを送りました。また、会期中の13日(金曜日)には日本からオンラインで昭和大学病院から喜瀬広亮先生が「Various techniques in percutaneous ASD closure」(ASD閉鎖のさまざまな方法について)のタイトルで発表されました。また、国立母子保健センターで医療ボランティアを行なっているアメリカチーム、韓国チームからもそれぞれ発表がありました。

9月の活動内容

8月には、現地のデバイス業者が一部のデバイスの通関手続きができず、そのため治療が実施できないということがあったため、今回はモンゴルでは入手できないデバイスを直接日本から持参することにしました。今回のエコー検診は50人、カテーテル数は7、うち治療カテは6、中止が1でした。治療カテの内訳はPDA1、PS1、ASD4です。
内容としては難しいものばかりであることと、指導しながらであることから1人に2時間以上かかっていました。そして2日目、3日目は治療終了後に全員で2時間を超えるカンファレンスを行ったため、連日終了が真夜中すぎというヘビーなものでした。
一方、国立母子保健センターの医師が昨年と比べて飛躍的に経食道心エコーが上達していて、これにより日本から渡航したメンバーも多いに励まされる思いがしました。
今回の滞在中、片岡功一理事と国立母子保健センターの子ども病院院長のボロルマー先生は2時間あまり会談をもちました。8月にデバイスが揃わず治療予定が完遂できないということが発生した原因とその対応策、モンゴル国立母子保健センターにできた心臓血管外科チームの現在と今後、モンゴル国立第3病院との連携、外国人医師への免許発行ルールの変更内容などについて現状を聞くと同時に解決策について検討するものでした。なかなか一筋縄では解決できるものはありませんが、まずは問題がどこになるにあるのかを探るところから始めることになりそうです。