NPO法人
ハートセービングプロジェクト

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2019年5月モンゴル心カテーテル治療チーム

2020年1月9日

麻酔科医としてモンゴルの国立母子保健センターでの心カテーテル治療チームに参加された感想をいただきましたのでご紹介させていただきます。

国の枠超えたチーム医療

昭和大学横浜市北部病院 麻酔科 藤井智子

4回目のモンゴル

4月28日現地時間夜7時過ぎにウランバートルチンギスハーン空港に到着

今回で4回目の参加です。今回はチーム医療という言葉を痛感した回でした。また、令和となった記念にモンゴルの日本大使館を訪問し記帳をさせていただくという貴重な体験をしました。

私にとってのハートセービングプロジェクトの魅力は、小児科を近い距離でサポートができることや、モンゴル人麻酔科医と協力して仕事ができることです。今回、特殊で難易度の高い治療が必要な患者さんがいました。治療を行うべきか否か、小児科医たちが治療方針について繰り返し議論を重ね、患児の親に丁寧に説明する様子を間近で見たことはとても貴重な経験となりました。また、手術中にモンゴルの麻酔科医の正確で素早い救急対応と看護師との連携、日本人医師への信頼を見たときには国の枠を超えたチームの活動に感銘を受けました。

 

宮城県立こども病院の小澤晃先生の診察の様子を見守る藤井先生

患者さんのご両親に治療の説明を行う片岡功一先生

5月に治療を受けたお子さんのおひとり

 

日本時間5月1日午前0時、我々の令和の幕開けはちょうど病院から帰ってきたバヤンゴルホテルのロビーで迎えました。今回の活動中に新天皇陛下ご即位のお祝いに在モンゴル日本国大使館で記帳をさせていただけることになりました。5月2日の15時までに訪問しないといけなかったのですが、予定外の治療が入り大使館に到着したのは15時の3分前。片岡功一先生、小澤晃先生、通訳のバドさんと4人でドタバタと大使館に駆け込んだところ、10名近い大使館の方々が出迎えてくださり非常に恐縮しました。参事官に誘導され高岡正人大使にご挨拶し記帳を行いました。白いテーブルクロスのかかった長机に紐綴じの縦長A4サイズの記帳が2冊ありました。机をはさんで正面には新しい天皇陛下のお写真が飾られていました。どのように記帳したものか迷って横目で隣の片岡先生をのぞくと横書きでサインを書いてらっしゃるので私も横書きで名前と所属を書きました。記帳後は片岡先生がハートセービングプロジェクトの活動と今回の治療人数などを大使に説明されているのを聞きながら、うっかりスニーカーで来てしまった私はせめて姿勢は良くしようと立っていました。15分ほど過ごしたのちに退室しました。とても緊張しました。

今までになくイベントが多かった今回ですが、モンゴルの子供たちと親御さんたちの笑顔を見られたことはとても幸せな経験でした。お世話になりました方々、本当にありがとうございました。

モンゴルの麻酔科医(手前)と藤井先生(奥)

健診を受けた患者さんとそのお母さん(左)と羽根田紀幸理事長(中央)と藤井先生(右)